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父とAIで資格アプリを作った、夏のはなし。51日間の記録

📝資格Life編集部 2026年4月28日 公開 読了 約14分 更新 2026年5月22日

これは、60歳を過ぎた父と、AIで資格学習アプリを作った51日間の記録です。
プログラミング経験ゼロ・「もう遅い」が口ぐせだった父が、AIと並んで席に座ったところから始まります。
技術の話というより、ふつうの親子が、ふつうの夏に、ちょっと普通じゃないことをやった話
学び直しを諦めかけている誰かに、たまたま届けばと思って書いています。

📑 目次(タップで開閉)
  1. Day 1:「電工2種、取れんかな」
  2. Day 2〜7:AIと父が、はじめて並んだ
  3. Day 8〜20:失敗の山と、ちいさな勝ち
  4. Day 21〜40:アプリが「育って」きた
  5. Day 41〜51:世に出すまで
  6. エピローグ:もう遅いことは、なかった
DAY 1 ― きっかけの夜

「電工2種、取れんかな」

始まりは、台所で父が言った一言でした。

「電気工事士、取れんかな。60超えてからやけど」

父は60歳を過ぎていました。 手に職をつけたい、もう少し体が動くうちに何かを残しておきたい――言葉にはしなかったけれど、 そういう気持ちが台所の灯りの下でこぼれているのが、なんとなく分かりました。

「教科書、買ってこようか」と返したら、 「教科書はもうある。覚えられんのが問題や」と笑われました。 そのとき、ふと思いつきました。

――AIに、勉強アプリを作らせてみるのはどうだろう。

DAY 2〜7 ― はじめての並走

Day 2〜7:AIと父が、はじめて並んだ

翌日、父の隣にノートパソコンを置いて、AIを立ち上げました。 父はマウスをぎこちなく握り、画面の中の文字を読みながら、こう打ちました。

「電気工事士の第二種を勉強したい。アプリで一問一答を作りたい。」

AIは、ものすごく丁寧に、いくつか質問を返してきました。 「どんな機能が必要ですか?」「問題は何問必要ですか?」「スマホでも使いますか?」―― 父はひとつひとつ、子どもみたいに律儀に答えていきました。

AIは、Pythonというものを使ってアプリを作ろうと提案してきました。 父はPythonが何かも知りませんでしたが、AIが書いたコードを、言われた通りにコピー&貼り付けする―― それだけで、画面に問題と選択肢が表示されました。

「お、できた」と父は言いました。 私はその「お、できた」の声を、今でも覚えています。

💡

気づき: AI時代の学び直しは、「全部理解してから始める」必要がありません。 分からないまま、まず動かす。動いてから少しずつ分かっていく――それがいちばん早い。

DAY 8〜20 ― 試行錯誤の日々

Day 8〜20:失敗の山と、ちいさな勝ち

1週目は順調でしたが、2週目から壁が来ました。

コードがエラーを出す。なぜ動かないか分からない。 AIに聞き直しても、ちぐはぐな返事ばかり――父はだんだん黙り込み、私は隣で焦り始めました。

そのうち、私たちはひとつのコツを覚えました。 エラーメッセージを、そのままAIに貼って聞く。 ただそれだけで、AIは原因と対策を3行で答えてくれる。 父はメモ用紙に、ボールペンで太く書きました。

「エラーが出たら、まずコピー」

このメモは、今もキッチンの壁に貼ってあります。

「教科書を、まるごとアプリに入れる」

Day 15ごろ、父が言いました。 「教科書の章ごとに、解説と問題が出るようにできんかな。最後にテストもしたい」

これがアプリの大きな転機でした。 AIに章ごとの要約と一問一答を作らせ、それをアプリに流し込む。 最初は1章だけだったものが、3章になり、10章になり、ある日全58章になりました。 画面に「第58章」と並んだ夜、父は黙って小さくうなずきました。

DAY 21〜40 ― 加速

Day 21〜40:アプリが「育って」きた

3週目を過ぎたあたりから、アプリが育ってきた感覚がありました。 機能を足すたびに、父の生活が少しずつ変わるのが分かりました。

  • 朝の散歩のあと、コーヒーを飲みながら問題を解く
  • 昼ごはんのあと、間違えた問題だけもう一度
  • 夜、私と二人で「今日はどこが伸びたか」を見る

父の声から「もう遅い」が消えていきました。 代わりに増えてきたのは、「次はこの機能、付けられるかな」でした。

「アプリって、毎日少しずつ大きくなるんやな。ぼくみたいや」

Day 35のあたりで、父が一発目の過去問演習を試しました。 点数は60点台。合格ラインは60点。ぎりぎり、届いていました

DAY 41〜51 ― 公開へ

Day 41〜51:世に出すまで

残り10日は、アプリを世に出す準備に充てました。 ドメインを取り、サーバーに乗せ、トップページを整え、SNSのアカウントを作り―― AIに教わりながら、父と二人でひとつずつ片付けていきました。

ドメインを取った夜、父はぼそっと言いました。

「これ、ぼく以外の人も使えるんやな」

ええ、使えます。 同じように「もう遅いかも」と思っている、誰かに届くかもしれない――そう答えたとき、 父はマグカップを両手で包んで、少しだけ照れたように笑いました。

51日目、サイトが世に出た

51日目の深夜、サイトを公開しました。 特別なオープニングセレモニーはなく、コーヒーが冷めただけの台所で、 ブラウザのアドレスバーに新しいURLが表示されただけです。

それでも、父と私のあいだに、はっきりとした節目がありました。 私たちは黙って、画面をじっと見ていました。

🔧

そのアプリ、いま世に出ています。

この夏に父とAIで作った第二種電気工事士の学習アプリは、現在「ビルメンアカデミー(bilumen.jp)」として公開中。 全58章+292問、ビルメン業界の入口資格を、無料で学習できます。

bilumen.jp を見る →

エピローグ:もう遅いことは、なかった

誰かの背中を、少しだけ押せたら。

51日間で分かったことは、シンプルでした。

「もう遅い」は、口ぐせでしかなかった。
60歳でも、AIと並んで座れば、自分の手で何かを作ることができる。 プログラミングの知識がなくても、英語が読めなくても、コピー&貼り付けと「お、できた」さえあれば、 生活はちゃんと変わっていく。

この資格Lifeというサイトも、同じ気持ちで運営しています。 20代の挑戦も、50代のやり直しも、同じ重さで応援したい。 あなたのキッチンにも、いつか「お、できた」がやってきますように。

― 資格Life編集部 / 父とAIの記録より

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資格Life編集部

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